蒼い鳥
すごい長いよー(o・∇・o)
UNI-ON@IR!!!! 福岡公演、最初のユニットD/Zeal。赤と青のデュエットという色だけ見れば古典的アイマスユニットとも言える構成。はるちはですよ!はるちは!
表題の通りこのエントリーはD/Zealというユニットと如月千早というアイドルとの関係につて私の思うところを書いていきたいと思います。ただの妄想で、これが正解だとか、これ以外認めないというつもりは全くありません。むしろ他の意見を知りたい見たい語り合いたい、そんな気分です。
蒼い鳥という曲はアイドルマスターシリーズ最古の曲と言われています。アケマス稼働1年以上前のミニライブで披露されたアイマス曲のうちの1つ。THE iDOLM@STERの歌姫;如月千早の象徴、「青の系譜」の出発点とも言える曲。題名が蒼い鳥になったのは偶然だったそうですがそれはそれ。
ミリオンライブ!の青の系譜が最上静香というのはおよそ異論がないところだと思います。個人的には志保と紬も青の系譜だと思いますがそこは意見が分かれそうです。最上静香というキャラクターは定められた時間内にアイドルとして大成するために、早くトップアイドルになることに固執しているキャラクターです。
みんなといっしょに!という標語が765プロの象徴、「赤の系譜」天海春香のリーダーとしての方針です。しかし静香は個としての成長に固執しがちなキャラクターです。アニマスで歌に固執し、仲間との「なれ合い」を嫌った千早に重なるところがあるように思います。
雑にまとめると「歌」に囚われていた千早と「時間」に囚われていた静香、そして「仲間」が見えていなかったそんな2人です。アニマスで千早は春香にその枷から解き放ってもらっています。では静香はどうなのでしょう。おそらく「ゲッサン」で未来に救われています。
時間を止めていたかった静香と時間が進んだことで何かを得た静香。弟の死で時間が止まっていた千早と春香たちとの新しい時間を進み始めた千早。
「時間」というワードはこの2人に特に強い意味合いを持っているように思います。
とりあえずここまでがキャラクターとしての前提。ここからはD/Zealの設定からの発展。ドラマCDで静香は千早の妹という設定で登場します。ピアノの才能に恵まれた千早が交通事故で死亡したあとのお話。静香は亡き姉千早に固執し影を追い続けています。この世界では静香は千早に囚われています。
最終的には千早の遺作「餞の鳥」をジュリアと作り上げることでその囚われから解放されるのですが、この餞の鳥は蒼い鳥をかなり意識して作られた曲、アンサーソングとまで言える曲なのではないかと思います。(個人的見解)
蒼い鳥で千早はボロボロになりながらも、どこへ向かうべきなのかも分からず、ただ「歌うこと」=「飛ぶこと」を続けます。千早は自分が群れからはぐれた孤独な鳥だと、鳥籠の中から自由を得るために飛び立ち夢に向かって飛ぶ鳥だと歌っています。D/Zealの世界の千早は親から優等生であることを期待され続け、クラシック音楽を続けることを半ば強制され、その枷から逃れるように始めたロック音楽のライブハウスに向かう途中で死亡しています。
千早の相棒だったジュリアは、千早の遺作「餞の鳥」は妹静香が歌うために作られた曲だと看破します。蒼い鳥で「未来にむかって、あなたを愛していた」のは静香だったのでしょうか。家族の期待を裏切り、それでもその中で妹のために曲を作った千早の心情に「蒼い鳥」は重なるように思います。
対して静香から見た千早への心情が「餞の鳥」の歌詞ではないだろうか。「見上げれば青空」、「空を舞うあの子は何よりもキレイに見えた」。「その姿が(あの子が遠ざかって)見えなくなってもココから歌うよ」、 「どこまでも自由に飛べるように、歌を添えるよ」。亡き千早への餞であることは間違いないでしょう。
「籠を飛び出して(自由を手にした)鳥が奏でる音を今」、「私は辿って(ふたりで辿って)歌う、どこまでも遠く響いて」。孤独だと思っていた千早の飛翔は、籠に囚われていた静香から見上げれば自由で美しく、忘れていた自由を取り戻して追いかけたくなる。クラシックピアノに固執してたものの最終的にはジュリアとロックデュエットを組んだ静香に重なります。
静香が「餞の鳥」を歌う前に歌った曲はジュリアとの「SING MY SONG」でした。この曲は静香の3曲目のソロ曲。時間に囚われていた「Precious Grain」、心の余裕が生まれ次の機会を夢見られるようになった「Catch my dream」、そして「砂時計」から解放された「SING MY SONG」。静香のソロ曲は彼女の成長を如実に表しているように思います。
止まっていた時間が動き始めた、時間を動かせたからこそ出会えた。それはジュリアと千早だったのではないかと思います。
「願い事とあなたの手を握りしめ」、「願い事はもう唱えた?」「あたしと未来へ」。
直前のジュリアとの「流星群」で静香は「未来へ」行けたのではないでしょうか。
ジュリアに時間を進めてもらって、千早に出会えた。それが今回のD/Zealのストーリーだったのではないかと思います。そのために必要だったのが2人で歌う「流星群」と「SING MY SONG」。ここに今までの6thライブの慣例に則って千早曲のカバーをやっていたらこのストーリーは作れなかったと思います。
しかしこのストーリーの中に確実に千早はいました。傲慢な言い方をしてしまえばこの一連の流れこそが千早というアイドルの追憶であり、「餞の鳥」の最後に数多の白い羽に混じっていた一片の青い羽は静香が千早に追いつくことが出来たことの証だったのではないでしょうか。
あの瞬間、如月千早はそこにいたと思います。如月千早の曲をカバーするよりも、より強く千早の存在を印象付けた演出だったと思います。
Day2で静香は「Catch my dream」を歌っています。今まで何度か披露されている「Catch my dream」ですが、今回ほど楽しそうに歌われた 「Catch my dream」 は無かったのではないでしょうか。D/Zealを経た最上静香の 「Catch my dream」 だところあずは言っていました。本当にその通りだったと感じました。
最上静香というアイドルはD/Zealを経て時間の囚われから解放され、アイドルとして大きく成長したように思います。それはある意味千早の後継者としてその地位を確固なものにしたということではないか、そんな気がします。
千早Pとして如月千早の活躍の場がどんどんと少なくなっていることには寂しさを覚えていますが、千早の存在が後輩を育てているのは嬉しくもあります。
永遠の存在は無いけれど、その存在が受け継がれていけばいつまでもその存在を感じられます。如月千早という独りよがりだったアイドルが自分の存在を受け継がせられるまでに成長したことになんとも言えない喜びを感じます。
そんな感じの感情が溢れた結果、福岡公演Day2の餞の鳥で泣き崩れたわけでした。
アイマス曲の魅力は、歌うアイドルのストーリーが付随するところだと思います。歌詞だけでなく、誰が歌ったか、誰と歌ったか、いつ歌ったか…
それはそのコンテンツの最初に、全ての曲を全てのアイドルが歌うことを始めたアイドルマスターだからこその特徴だと思います。
「持ち歌」はあれどその曲はそのアイドルだけのものではない。765プロのアイドルなら誰もが歌えてそれぞれのストーリーが生まれる。
ジュリアと静香は二人で「流星群」と「SING MY SONG」を歌ったことで新たなストーリーを生み出しました。
きっと今の最上静香が「蒼い鳥」を歌ったらまったく別のストーリーが生まれるでしょう。
そんなアイドルマスターならではの面白さを改めて教えてくれたのが、765プロのカバー曲をユニットの世界観に沿って採り入れた6thライブツアーだったのだと思います。
おわりだよー(o・∇・o)
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