夏川椎菜 Zepp Live Tour Pre-2nd
『LAWSON presents 夏川椎菜 Zepp Live Tour 2020-2021 Pre-2nd』福岡公演に昼夜通して参加してきました。
延期に延期を重ねたツアーライブの復活1発目。
「アーティスト夏川椎菜」もついにReburnし、熱く激しいライブとなりました。
ストーリー性の強かった1stライブ『PLOT POINT』と比べると、Pre2ndは音楽の強さでひたすら殴り続けるアーティストの真骨頂とも言えるライブなのではないかと思います。
無発声ライブとは思えない盛り上がりでした。
さて、演目個々の感想は他のブログ等に譲るとして、ここではこのPre2ndツアーの意義について感じたことを残しておきたいと思います。
“Pre2nd”という表題は、「無発声・キャパ制限・ファンの参加制約」といった通常の環境とはかけ離れた昨今の状況ではフルスペックの2ndライブとは言えない、という夏川さんの考えが発端だったと記憶しています。
そして、「このPre2ndを消化しないと次に進めない」ともいろいろな場所で言及されています。
「次のステージ」のアーティスト夏川椎菜はどのような存在なのでしょう。
彼女はどのような進化を目論んでいるのでしょう。
Pre2nd福岡を見て、次のステージの「夏川椎菜」は「”飛び道具”に頼らないアーティスト」なのではないかと感じました。
語弊を恐れずに言えば、今までの夏川さんは歌唱力で魅せるタイプのアーティストではありませんでした。
より率直な言い方をすると、歌唱力で比較すれば同じユニットの他の2人の方が「ウケが良い」わけで、「ストーリー性で魅せる」という独自の路線を見出して進んできたのだと理解しています。
(私は夏川さんの歌声が大好きです。念のため。)
「ストーリー性で魅せる」という方法は既存のファン、すなわち過去を知っているコアなファンへの強力な武器になりますが、初見の人には何を表現しているのか分からないものです。
まさに飛び道具であり、「歌が上手い」「歌声が綺麗」「華がある」といった正攻法の武器ではないのです。
『PLOT POINT』はその確固たるストーリー性から夏川椎菜というキャラクターの過去や今を知る人には大きな衝撃を与えました。
このライブで初めて夏川椎菜を知った人に彼女のパーソナリティへの興味を持たせるほどに強いストーリー性がありました。
対してPre2ndにはストーリー性を演出する舞台装置はありませんでした。照明も音響もライブを盛り上げることに徹し、幕間もありませんでした。
夏川さんは生バンドの音圧に負けないパフォーマンスで2時間をぶっ通し、最高の盛り上がりを実現しました。
「夏川椎菜」を知らない人間でもパフォーマンスに魅せられるライブだったと思います。
『クラクトリトルプライド』を引っ提げる形になるはずだったこのライブ、最新の夏川さんはクラクトリトルプライドの夏川さんです。
この夏川さんが”Pre”2ndということは”2nd”の夏川椎菜はクラクトリトルプライドの先にいるはずです。
「派手なのと飛び道具は目立ちそうだから採用」していた夏川さんは、次のステージでは正攻法でも攻められるアーティストになるのではないでしょうか。
そういえば、私は夏川さんの軌跡は、
「パレイド」→「ファーストプロット」→「クラクトリトルプライド」だと思っていたのですが、
「パレイド」→「ワルモノウィル」→「クラクトリトルプライド」だよってことなのでしょうかね?