ロイヤル雨宮ブルーを探す #3

「ロイヤル雨宮ブルーを探す」結論編です。たぶん。 結論編はこちら
(2021/7/8 カテゴリー『ロイヤル雨宮ブルー』にまとめました。)

とりあえず以下の画像が試行した「青」インクたちです。3枚あるのは違う紙に書いてみたからです。

クリックすると大きいサイズの画像が表示されますので適宜参照いただくとして、簡単に各インクについて説明して行こうと思います。
最後に3つほどおすすめのインクを載せて置きますのでなげーよってなったらスクロールしてください。

Pure Pens:Saltire Blue

イギリスのハンドメイドインクメーカー”Pure Pens Ink”製インク。価格は6.25ポンド。このメーカーは「他メーカーのメインカラーの中間色」を多く作っているとのこと。
販路が限られすぎているのでおすすめしづらいですが「ロイヤル雨宮ブルー」に近い色です。ちょっと黒が強め。

Diamine:Sargasso Sea

みんな大好きダイアミン。このインクは日本でこそ流通していないようですが、海外ではダイアミンのメインのラインナップにあるようです。

よって量よし値段よし実用性よしと三拍子揃ったおすすめのインクです。色は先述のSaltire Blueをほんの少し青で薄めた感じ。「ロイヤル雨宮ブルー」筆頭候補です。

紫ギリギリの青から青と紫と黒とが並立する何とも表現しがたい色のインク溜まりへと変化していく様が色っぽい、とても気品のある色です。たいへんお気に入り。

ブングボックス:表参道ブルー

こちらは日本メーカー製インク。静岡のブングボックスというペンショップさんが表参道に新規開店した際に記念につくったインクだそうです。

欠品ぎみですが廃番というわけではないので気長にまっていれば入荷されるようです。「MD Cotton」紙に書くとなかなかに「ロイヤル雨宮ブルー」感があります。相対的に少し彩度は低め。

ヤンセンインク(de Atramentis):Jules Verne

「海底2万マイル」の作者をイメージしたらしい「海底の色」のインク。こちらは「Graphilo」紙に書くと「ロイヤル雨宮ブルー」にかなり近い色になります。

国内流通はしているので見つけたら買っても良いかもしれません。値段もまあ普通。

プラチナミクサブルインク:「Paint it, BLUE」

前回のエントリーで紹介した自作調色インク。ちょっと発色が弱いですかね。

Faber Castel:Royal Blue

これだけロイヤルブルーと騒ぎながら名前にそのまま入っているのはこれだけです。いかにロイヤル雨宮ブルーが特殊か分かります。

色としては先述の調色インクを濃くしたような感じなのですが、このインクもかなり良いです。
インク溜まりが出来にくく、濃淡の変化もとても滑らかで実直な雰囲気があります。実用性に優れ、入手難易度も低いのでお値段に目をつぶればとりあえずこれを買うべきだと言えるでしょう。

Diamine:Blue Flame

ダイアミン製ラメ入りインクです。完全に名前で買いました。Burning blueしたり青く燃えたりする歌があるので是非聞いてください。

半分ネタで買ったわりにはなかなかのロイヤル雨宮ブルー再現性。少し薄いですが調色インクよりは濃いめです。金ラメなのですが思いのほか品があって宛名とかに使うとよさそうです。

Pilot:色彩雫 朝顔

私が最初に万年筆を買った時に買ったインク。如月千早というキャラクターの髪の色のインクを、と探し回って見つけたインクです。

幾度となく「朝顔でよくね?」という悪魔の囁きを振り切った今回のインク探しでした。比較してみると少し水っぽいとでも言いましょうか、淡い感じがします。

Herbin:Eclat de Saphir

いわゆるサファイアブルーのインク。何故これを買ったかというと雨宮天さんがこのインクを使っているとおっしゃっているからです。いやこれロイヤルブルーじゃn(ry… 公式に解釈違いを起こすのはやめましょう。

雨宮天さん、サファイアブルーもお好きだとおっしゃっていたのでこれはその文脈なんだと思います。多分。
色としては大変明るく、普段遣い出来るギリギリのラインかなと。人によってはアウト判定かもしれない。
とても綺麗な色です。

Noodler’s Ink:Baystate Blue

今回のインクの中で最も曰く付きのインクです。鮮烈な青、異様な発色、お手本のようなロイヤルブルー。
販売元から「高いペンには使うな」という注意書きがなされ、プラモ用の塗料として使う輩が現れるほどの耐候性を誇り、一度樹脂に付着すると漂白剤を使わなければ色が落ちません。

アメリカのマクドナルドのコーヒーのように容器並々にインクが注がれた状態で発送され、開封すると運が良ければ手だけが青く染まり、たいていは備品のなにかを不可逆的に青く染めます。

インク自体の性能としては速乾性こそ優れますが基本的に滲みます。
手持ちの紙の中では、MD紙(コットンではない方)とTomoe Riverでは実用上問題無い感じですがGraphiloとかダメです。普通紙もだいたいダメ。

しかしながらこの色に魅せられてしまった人が多数おり、その実用性の著しい欠如から数多の人間が代替のインクを探し、このインクに還ってきているようです。「baystate blue alternative」とかで検索をかけると青に狂った人間の末路が見られます。

「ロイヤル雨宮ブルー」としては明るすぎるのですが、天ちゃんがよく着ている服の色にとても近く、この色を以て雨宮さんの青と表現しても怒られはしないように思われます。(*>△<)

私としてもとても心を奪われてしまった色なのでなんとかして使いこなしたいと思います。

Diamine:Blue Velvet

こちらもダイアミン製インク。150周年のアニバーサリー商品だとか。
これも「ロイヤル雨宮ブルー」候補のインクです。ただ若干緑が入っている(ような気がする)のと青が強めなのとでSargasso Seaから一歩引くかな、という印象。
TrySailとしての雨宮天さんだとこちらの色の方が印象が近いかもしれません。

青→紫ギリギリの青にグラデーションするBlue Velvetは、Sargasso Seaと色が近似する範囲も多くあります。
このインクも大変色っぽい変化をするのでおすすめなのですが、少し乾くのが遅いので実用上は注意が必要です。無茶苦茶遅いというわけではないので慣れている人なら問題ないかと思います。

こちらは一応国内で取り扱っている店があるので個人輸入しなくても手に入れることは出来ます。

ブングボックス:初恋

こちらもブングボックスさんのインク。「ペンマンサファイア」というかつて存在した青インクを再現したそうです。

「悪魔のインク」とも呼ばれたペンマンサファイア、なんでも有機溶媒に似た材料が入っていて(※1)樹脂製万年筆を溶かしたり折ったりしただとかで廃番に追い込まれたようです。発色の良さからブングボックスさんを含めファンが多かったようですが…
発色の良いインクってだいたい曰く付きですね、アトムレンズみたいです。
(※1:参照ブログ→インク分析(パーカー・ペンマン サファイア Parker Penman Sapphire その①)|ぽちぶろぐ 様)

色としては紫よりの青からターコイズブルーに流れていく感じでしょうか。今回の基準だと完全に「緑」判定です。麻倉ももさんの方が好きそうですね。


この3つのインクを「ロイヤル雨宮ブルー」色のインクとして挙げることで今回のとりあえずの結論としたいとおもいます。

紙の色とか照明の強さとかその日の気分とかで色が違って見えるので断定するのはたいへん難しいです、たいへん。ちなみに直射日光にあてると12本のインクのうち9本くらいが見分けのつかない、美しい青に発色します。

なお、私はこの12本の色見本を作ってから既に3回「ロイヤル雨宮ブルーが見つからない悪夢」を見ている(マジ)ので多分まだ青いインクを探す旅は続くと思います。

(o・∇・o)おわりだよ~


ちなみに”協力者”から唆されたインクは調色インクとブングボックス表参道ブルー、Baystate Blue以下3つの合計5本です。なんだかんだ言って自分から深みに落ちていっているのが分かりますね。
協力者“氏にはこの場を借りてお礼申し上げます。

インクをガラスペンに付けて書くのと万年筆に吸わせて書くのとでは色の出方が異なるので12本の万年筆に12色の青いインクが入っています。

お詫び)このエントリ2枚目の写真(Graphilo)で盛大にインク汚れが出てるのはいづれ差し替えます…書いて3日経ったのに触ったらこうなりました…謎です…
→#4で書き換えました

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