ミリオンライブ8thライブに寄せて

2022年2月12/13日開催、THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 8thLIVE Twelw@ve に両日参加してきました。
ライブアンケートに書きそうなことを中心に全体的な感想と少しの反省を残しておきたいと思います。


全体的な感想

私の言葉でこのライブを端的に言い表すと「苦手なコンセプトから生まれた大好きなライブ」でした。
「苦手」なのはラブソングとユニット制。「大好き」なのは”765プロの曲たち”の新しい物語を見せてくれた点。

私がラブソングが苦手です。苦手過ぎてかつては「初音ミク本人」のことを歌った初期のボカロ曲に傾倒したり、そしていつの間にか意図的に「歌詞」の聞き取りを放棄して「曲調」と「歌声」だけを楽しむといった曲の聞き方をするようになっていました。
ただ、今回はアイドル達が我々に向けて愛を歌ってくれたらしいので文句を言うのも野暮というものです。

続いてユニット制。このブログを読み続けている奇特な方がいれば、私が「オリメン主義」を苦手にしていることをご存知かもしれません。ユニット制はそのユニット曲の歌唱者を固定します。私はそれが曲の可能性、表情、物語を固定してしまうものだと考えています。

人の好みは千差万別、苦手も千差万別です。なるべくオリメン(各曲のオリジナルメンバー)で歌って欲しいと思う人も、ユニット制が好きだという人も、そしてあるいは演者とキャラクターの境界をどこに置くかについても価値観の分かれるところです。

これらに正解は無いはずです。
各ブランドごとに何となくの傾向はあるので、自分の価値観に合ったところに応援に行くのがスマートかもしれません。しかし、担当や推しが都合よくそのブランドに現れるわけでもないのでうまく付き合っていくのが現実的なところでしょう。

私がミリオンライブで見たいものは「曲の新しい物語が生まれる瞬間」と「765PRO ALLSTARSとMILLION STARSの垣根が無いライブ」です。

曲の新しい物語は同じアイドルが成長していく最中でも見られますが、本来のオリメンではないアイドルが歌うことによって新しい意味が生じることもあります。765のCSゲームのような全曲全員収録をスマホアプリでやるのが厳しいことは分かっているので、ぜひライブでやって欲しいと思っています。

そして765ASの直系の後輩であり同じグループであるミリオンライブには、各々の曲を自由に使って新しい表現を見せて欲しいと思っています。39人の曲ではなく52人の曲を使って。

この点で今回の8thライブは私の見たかったものを見せてくれました。
「ミリオンスターズの曲」だけでも「先輩の曲」だけでもなく、「このメンバーが愛をテーマに歌うならどんな曲が良いか」という主題に765プロ全員の曲の中から答えてくれました。

ミリオンスターズが美希やあずささんや真や貴音の曲を歌うのは同じシアターの仲間なのだから当然のことだし、同じように志保、朋花、ジュリア、このみさん、杏奈の曲を歌うのも当然のことなのです。この文脈に765ASとミリオンスターズとで差をつけなかったのがとても嬉しかったです。


反省

このエントリーでユニット制は苦手という表現をしてきましたが、実質的にはユニット制のアンチに近い心情を持っていました。ユニットは可能性を狭めるものだと思い込んでいたのですが、夏川椎菜さんの「このコンセプトのユニットだからこそ普段の各々のキャラクター性ではカバー出来ないであろうMaria Trapを歌えた」という旨の解釈に膝を打つ思いでした。

また、今回はミリオンの周年に参加するようになってから4回目にしてようやくペンライトセットをPrincessのみですが買いました。これに気をよくしてライブ公式HPから出演メンバーを調べて本人の色のペンラだけを持って行きました。
あれだけオリメン縛りはつまらないと言いながらあり得そうな曲、足りない色、欠席者、765プロのメンバーの色を持って行きませんでした。百合子、美希、真、貴音など本人のペンライトを持っているのに、現地に持って行きませんでした。結局のところ自分自身がどうせ「カバー」はやらないだろうと、オリメン縛りに縛られていたのです。滑稽ですね。


好きな音

ライブで浴びた≡君彩≡とTRICK&TREATの音が大好きです。

≡君彩≡は最初知らないピアノの音がして、アレンジかな?と思うも明らかに音源ソースが違うのには気づいていて、そして実際に生バンドの『ReTale』を聞いて初めて生バンドの良さと言うものを理解させられました。
また、イヤモニ周りでトラブルがあったらしい藤井ゆきよさんの歌声が、だからこそなのかとても心のこもった優しい歌声に聞こえて、本当に大好きな音色でした。

TRICK&TREATはぴらみさん(平山笑美さん)の音の伸びの中にしっかり存在感を示すちゃきさん(小笠原早紀さん)の明るい歌声のハーモニーがいつまでも好きです。本当に大好きな調和でした。
このユニットは既にリリイベで聞いていて「これはヤバい」とは分かっていたものの、生であれだけキャラクターに近づけてあの調和を実現していたのに末恐ろしさすら感じました。

あとは…香里有佐さんをミリオンライブに引き込んだ判断をした人間は天才と言わざるを得ないですね。あるいは男役をやらせるという判断でしょうか。オスカーが導く『MUSIC JOURNEY』では同じアイドルが歌っているのに全く違う曲の表情を、物語を見せるというのは今までに経験したことが無く、消化に時間がかかりそうです。とても素晴らしいものを見せて頂きました。


8thライブとは

「周年ライブ」って何なのでしょう。例えば765ASは10thを機にナンバリングの周年ライブをしなくなっています。周年ライブを称さなくても大規模なライブイベントというのは存在します。シンデレラではSS3A、ミリオンでHOTCHPOTCHなど。ASでは初星宴舞も大規模ライブながらナンバリングはありません。

1つは発表会的な意義があるもの。CDシリーズの完結とお披露目の場というのはありそうです。しかし、ミリオンライブでは7thライブは特にそういった「ノルマ」はありませんでした。

もう1つは「周年曲」のバトンタッチの場。今までの1年を象徴してきた全体曲からこれからの1年の全体曲に繋ぐ場。セトリの頭に去年の周年曲をやってアンコールの最初に今年からの周年曲を披露するというプロトコルは慣習として続けられてきたものだと思います。

しかし、今回の8thライブではMTWシリーズがテーマ(ノルマ)でありながらこのシリーズ上で登場した去年の周年曲である『Glow Map』を披露しませんでした。今年の周年曲である『Harmony 4 You』は例年通りアンコールの最初に披露されました。

「愛」をテーマにするとGlow Mapは入れにくい、Glow Mapに於いて7thR以上の演出は出来ない、元々は「思いのまま地図を染める」ツアーだった8thライブを単発ライブに改変する過程でツアー色を消した…
まあ色々と邪推は出来ますが「周年曲のバトンタッチ」が起きないとどうにも周年ライブに参加した気がしないという感覚もあります。

今回のライブではステージマイクがいつものゼンハイザー製ではなくシュア製だったのも気になるところです。もしかしたらミリオンが周年ライブで使う予定の箱ではなかったのかもしれません。
謎のイベントが謎のまま消えた武道館上映会と9thライブの日程・会場から、本来は今年2022の1月に9thライブを武道館でやる算段だったことは想像がつきます。7thライブに2年間かけているのと予定を押さえられるだけで御の字の武道館に挟まれた8thライブがイレギュラーにイレギュラーを重ねた周年ライブだったのかもしれません。

だから何だと言うことは無いのですが、Glow Mapを聞く機会が欲しいなという思いと、「周年」ブランドに拘らない自由で大きめのライブイベントをやってくれたら嬉しいなという気持ちが大きくなりました。
周年ライブというのはどうしても衣装が固まってしまうので、過去のライブで使った衣装とかも使えるライブがあると楽しそうですね。

追記
周年ライブの定義として出演者全員が各自のソロ曲を歌うというのもありそうです。
とはいえ7thRでは「構成はほとんど7thのまま」でありながらソロ曲をソロで歌うことをしませんでした。
8thでカバー曲にソロ曲を多く選んでいたのはソロ曲を忘れていないことのアピールか、あるいはソロ曲をソロ曲としてセトリに組み込めていないことへの負い目だったのでしょうか。
個人的にはミリシタ追加組を除くと全員が一度はソロ3周目までを披露し切っているのでソロ曲を使って「遊ぶ」ことが出来ているのだろうと思います。
2days構成のライブでミリオンスターズの大部分を出演させる以上、5thのような詰め込めるだけ詰め込んで勢いで突っ走る形か、ユニット形式である程度の世界観にまとめるかしか選択肢が無いのは仕方のないことだと思います。
そう割り切って世界観でまとめた8thは、ライブとしての完成度が高いものとなっていたように思えて私は好きです。ただ、やはり「周年ライブ感」は薄れるようには思います。ライブを振り返る時にも1人のアイドルにフィーチャーして思い返すのが難しいのもソロ曲なきライブの難点です。演者さんにお手紙を書く時に少し困ってしまいます。(追記終)


アニメ制作も進んでいるようですしミリオンライブの聖地武道館での周年ライブも控えています。
なかなか死ねない日々が続きますが頑張っていきましょう。

(o・∇・o)おわりだよ~

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